晴れ晴れ句会(引越し先)Haiku on Sunnyday

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晴れ晴れ句会 二周年記念「恋の句会」 平成二十一年十二月二十六日(土) 於東京・根津「晴れ晴れ家」


参加十四名+欠席投句二名

 

*五点
まどを背にまだ初雪を知らぬ人 池田ブランコ◎覚共鳴

 

*四点
便り無しそれでいいのだ春時雨 今崎智子◎健生、貴光共鳴
冬あたたか普通のひとといて楽し 川合健生◎希伊子共鳴
ストーブを灯す男の変わりけり 鴻池貴光◎鐵男共鳴

 

*三点
紅葉酒京の鬼と寝落つかな 櫛原希伊子◎里香共鳴
純真に体を愛すコオロギや 三遊亭円左衛門◎有芳共鳴
会うだけの訳見つからず虎落笛 三遊亭円左衛門◎ブランコ共鳴
朧月疑いもなく君は居り 三遊亭円左衛門
日脚伸ぶと云はれて帰り妻に告ぐ 池田ブランコ◎正則共鳴
サンタさんアタシを包んで持ってって 熊本有芳
お別れの真昼のクリスマスツリー 鴻池貴光
枯芙蓉二人の時間使ひ切る 高橋喜和◎智子共鳴

 

*二点
ストーブのケトル鳴らせしままにかな 池田ブランコ
山近づきけさ東京の冬めきぬ 池田ブランコ
いつもより濃い紅の色冬の月 川村里香
添ひ寝するなら絹か木綿か新豆腐 櫛原希伊子
寒鴉あの娘に逢いたいガァーと鳴く 熊本有芳◎貴志共鳴
恋果てて冬のミミズの寝転がる 鴻池貴光◎喜和共鳴
一升瓶放さぬ女惚れた夏 佐藤健二
ぶらんこを押され背まで焦がしけり 高橋喜和
初電話どうして君は話し中 安田英二◎健二共鳴

 

*一点
朧夜や無口なるにも程がある 石川鐵男
夏終わる抱いて抱かれて抱き返す 石川鐵男
寒卵割れてもこころ変はらなゐ 池田ブランコ
密会のそこにおわすかはたた神 今崎智子
秋の海せつないと叫ぶ君がをり 今崎智子
よく煮えておいしいねクリスマスイブ 川合健生
離れ行く菜の花の駅君を見ず 川村里香
枯葉踏むかの足音を待ちわびる 川村里香
夏補習部活の君を見てるだけ 喜連川
五月雨や滲む句帖は失恋歌 喜連川
日向ぼこ君とお日様
独りじめ 熊本有芳
あのオトコうわさのビキニコレクター 熊本有芳
蛇衣を脱ぐころあひか草にほふ 櫛原希伊子
雪女郎雪の素性は聞かずおく 櫛原希伊子
消え残る君への想い日記買う 鴻池貴光
サンタからハッピーエンド届かない 佐藤健二
我カラス湯上り待ちの銀世界 佐藤健二
手袋を脱いでとせがみ照れ笑い 佐藤健二
歳晩の首都に残れり恋を得て 高橋喜和
遠花火わが子愛せし人のこと 高橋喜和
炎昼のふたり遠回りしてゆく 中村正則
BMWの女疾走秋の暮 安田英二
風邪ひきの唇そつと重ねたし 柳原尚彦
クリスマス冷えたほつぺに押し付ける 柳原尚彦
痴話喧嘩涙に負けて春隣 柳原尚彦

 

☆二周年記念・晴れ晴れ連句世界制覇への道1

友ありて酒ありて冬哀しかり ブランコ
  年の瀬合い間の雲の晴れ間に 覚
酒を酌む露天風呂にて雪受くる 鐵男
  ふたりならんで空見上げをり 智子
ふくろうの悲しく鳴きて 里香
  製材者熱きごてにおう 有芳
だが待てよ我とうとぶよ気持ちかな 貴志
  恋愛を経て来し人の寒さかな  喜和
酒呑めば日々の祭りの遊びにて 希伊子
  騒ぎ歩いて根津かいわい   健二
    潮見の坂のひとりゆきけむ 正則
ひざつきて泣けば人々かへり見てゆく ブランコ
  月夜の果ては金色の朝 覚
アメリカの奴足ふむ土ぼこり  鐵男
  ワルプルギスの夜終わる頃 有芳
シラフより酒のむことが生のあかし 貴志
  君と明かすや楽しかりけり 智子
馬上にて杯を空けるや西洋の酒 里香
 ハーレーダビッドソン来るサンタや誌を述べる  喜和
  ドンキホーテは枯野より  希伊子
従者連れオバマに会いにニューヨーク  健二
  漫才師の一決めし夜とて  正則

晴れ晴れ句会 第二十三回 平成二十一年十一月二十八日(土) 於東京・根津「晴れ晴れ家」(24回)


参加十一名+欠席投句一名

 

*七点
打たれたる頬の熱きに冬を知る 中村正則◎鐵男、美紀、英二共鳴

 

*四点
友来たり千住の葱をぶつた切る 中村正則◎喜和共鳴

 

*三点
悪い奴凄いコートで闊歩する 熊本有芳◎貴光共鳴
新型のウイルス運ぶ雪女 鴻池貴光
君の背に爪を刺したい酉の市 坂井美紀◎英二共鳴
姉の声枯木を通し弟へ 高橋喜和◎有芳共鳴

 

*二点
麻薬王狐のロングコートかな 池田ブランコ◎正則共鳴
セーターか吾かいづれか前うしろ 
池田ブランコ
山近づきけさ東京の冬めきぬ 
池田ブランコ
菊肩に咲いて地蔵は横たわる 
川村里香
足の裏上目で見ている氷下魚かな 
喜連川
北風や掛けたる掃きの四十五度 
喜連川
冬晴のランチボックス女子男子 
鴻池貴光
冬耕や国境兵に手を上げて 
高橋喜和
あいつ飛んだハングライダー冬紅葉 
中村正則◎泰子共鳴
冬座敷猫の吐きたる毛玉かな 
中村正則
冬銀河眠りそびれたきつねの子 
中村泰子
手放せば自由になりぬ枯木立 
中村泰子
初時雨根岸の里に雨を聞く 
安田英二

 

*一点
寒風や暮るる街の灯星の数 石川鐵男
冬の薔薇独り暮らしの丘の上 石川鐵男
木枯らしや小声でうたふラブソング 石川鐵男
マフラーを靡かせ声の響く人 池田ブランコ
秋雨やまばたきをせぬ看守かな 川村里香
沢庵をつまらぬ顔してポリとやる 熊本有芳
凩に鉄棒クルクルお嬢ちゃん 熊本有芳
冬芒安全+第一錆びている 鴻池貴光
送信のボタンを押せぬ小夜時雨 鴻池貴光
公園のトイレの鏡木の葉髪 鴻池貴光
垂れ気味のお尻ぽかぽか電気毛布 坂井美紀
冬時雨貴女がなぞる結婚線 坂井美紀
茶の花垣営業マンの急ぎ腰 高橋喜和
おさらばだ雪の降るさきを見つめる 中村泰子
晦日独座観念モーツァルト聴く 安田英二
冬の闇に呟いてみるの「ただいま」と 安田英二

晴れ晴れ句会 第二十一回 平成二十一年九月二十六日(土) 於東京・根津「晴れ晴れ家」(22回)

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参加八名+欠席投句四名

 

*五点
ほろ酔ひのおとんとおかん月の道 石川鐵男◎智子、正則共鳴

 

*四点
草の花夕陽の抜けてくるところ 池田ブランコ◎貴光共鳴
諦めて諦めて飛ぶ秋の蝶
 鴻池貴光◎ブランコ共鳴

 

*三点
紫蘇は実に猫は伸びたりちぢんだり 池田ブランコ
男しゃくの「肉じゃが」ほっこりアフ、アフフ 喜連川
祭あと独り御酒所の泣き上戸 中村正則

 

*二点
ちろろ聞く枕のちょいとした高さ
 池田ブランコ◎喜和共鳴
叱られて手の平まはす木の実独楽
 石川鐵男◎有芳共鳴
秋の山かさこそこそと進むなり
 今崎智子
空っぽの胸に落葉を詰め込んで
 今崎智子
住み込みの母子の秋の夏休み
 喜連川
満ちる月大事な言葉はテレパシー
 熊本有芳
秋の声流れ来るもの楽しみぬ
 高橋喜和◎きらら共鳴
杯干して埋まらぬ時間木の実雨
 高橋喜和
独身男ゴーヤのわたを深く掘る
 成原慧
鳶頭木遣りに塔せて秋天に逝く
 柳原尚彦◎鐵男共鳴

 

*一点
帰り道今日の自分に悩む秋 安藤舞
指笛の鳴り渡り行く花野かな 石川鐵男
満月やゆつくり歩くハイヒール 石川鐵男
火を点ける指先見つめる夜長かな 今崎智子
アリジゴクすつぽり覆うまるい月 喜連川
栗のイガミミズの上に落ちにけり 喜連川
落ち葉舞う手紙の返事はまだ来ない 成原慧
雨の月無理矢理笑う孤独かな 熊本有芳
赤ワイン絹のように秋を飲む 鴻池貴光
くねらせて思はせぶりな案山子かな 高橋喜和
草の穂をつけあふ遊び恋はじめ 高橋喜和
バスを待つ秋の七草諳んじつ 中村正則
腹痛む夜長のトイレ灯一つ 成原慧
秋の夜のスーパー帰りに逆ナンパ 成原慧

晴れ晴れ句会プレミアムvol.5「月の句会Ⅱ」 平成二十一年九月十七日(木) 於東京・根津「晴れ晴れ家」


参加十一名

*六点

月光に肩を濡らして帰りけり 山遊亭金太郎◎雅美、宏子共鳴

*五点

月明かりそつと引き抜く腕枕 中村正則◎松鯉共鳴

*四点

月見酒背信のこと語り出す 田中敬

*三点

パーキング「満」の字の上まるい月 喜連川覚◎喜和共鳴
ひき潮の岩のくぼみに月浮かぶ 喜連川覚◎健生共鳴
満月を持つておかえり母さんへ 高橋喜和
名月のけふは多弁になりにけり 中村正則◎金太郎共鳴
魂を抜かれたような昼の月 藤井雅美◎英二共鳴
満月を残して雨戸立てにけり 藤原宏子

*二点

満月の裏に答えは書いてある 川合健生◎覚共鳴
おつかれさまおつかれさまおつきさま 川合健生
ゴンドラやおひとりさまの月見かな 喜連川
月に打つ裏のビートで踊り出す 喜連川覚◎正則共鳴
外つ国へ嫁がせ月を仰ぎをり 高橋喜和
とりあへず母の裁ち板月祀る 高橋喜和◎敬子共鳴
十六夜やランプの芯を少し立て 藤井雅美◎鐵男共鳴
月の雨ビニール傘は七色に 藤原宏子
池の水揺らして月を揺らしけり 藤原宏子
月光をまとひて夫に逢ひにゆく 藤原宏子
月宮殿に兎と遊ぶ鬱の日々 安田英二

*一点
満月の車椅子いざ居酒屋へ 石川鐵男
名月を5つ並べて君の勝ち 川合健生
円満たれ円満たれと母の月 川合健生
取り寄せの大吟醸や月今宵 神田松鯉
何事や犬の怯ゑし月明かり 神田松鯉
お供えの茄子に映るや盆の月 喜連川
名画座通り七兵衛通り月今宵 高橋喜和
月見るや嫁ぎ間近の子と並び 田中敬
シャンソンの明日はあなたと月の上 田中敬
月見豆裏の畑に母と採る 田中敬
月明り拾ひグラスの一人言 藤井雅美
幻月や狂う女を演じけり 安田英二

晴れ晴れ句会 第二十回 平成二十一年八月二十二日(土) 於東京・根津「晴れ晴れ家」(21回)


参加十名・欠席投句一名


四点

 

流れ星誰の都合も考えず 池田ブランコ◎茂則共鳴

 

盆の月水に映らぬ女かな 池田ブランコ

 

愛しさやルージュの端の今年米 中村正則◎智子、覚共鳴

 

原爆忌ダブルコーンをほおばって 橋本茂則

三点

 

今年また踊る眼鏡のおじいさん 池田ブランコ◎健生共鳴

 

夏休み子供番組と黙祷 川合健生◎ブランコ共鳴

 

かき氷こぼさぬやうにしてこぼる 川合健生

 

蜩の遠く幼きピアノかな 中村正則

二点

 

杯に酒たまゆらの秋澄めり 石川鐵男◎正則共鳴

 

留まるな先に進めと守宮啼く 今崎智子◎有芳共鳴

 

登山道雷鳥家族に道譲り 今崎智子

 

絵日記に日焼けの皮を貼る息子 喜連川

 

汗ばみて褥冷たき夏が逝く 喜連川覚◎鐵男共鳴

 

枝豆や固茹で飛び出すエメラルド 熊本有芳◎健二共鳴

 

見納めか、冷やし中華さくらん 佐藤健二

 

久しぶり。視線はたどる日焼け跡 佐藤健二

一点

 

秋夕焼け居酒屋向う車椅子 石川鐵男

 

半世紀経るもあの子や花すすき 石川鐵男

 

コップ酒降る星見上げ語る夜 今崎智子

 

お義兄さんお花畠の真ん中に 川合健生

 

せみ落ちてブレイクダンス夜の秋 喜連川

 

肩車銀河遊泳夜散歩 熊本有芳

 

八月の白いキャンバス皆溶ける 熊本有芳

 

花火から四週経って仲ハジケ 佐藤健二

 

ポトリ落ちジジジ辞世と蝉が泣く 佐藤健二

 

秋の蟬看取りて雨のぽつと来る 中村正則

 

陰膳の丼飯や花薄 中村正則

晴れ晴れ句会 第十九回 平成二十一年七月十八日(土)於東京・根津「晴れ晴れ家」


参加五名・欠席投句三名

*四点

ヘッドフォン外し佇む蝉時雨 中村正則◎有芳共鳴

*三点


熱帯夜沼の底まで沈む月 今崎智子◎鐵男共鳴

*二点


詰め寄られ扇子しきりの男かな 石川鐵男◎覚共鳴

日焼け顔妙に気になる三白眼 喜連川

気にすんな何処にも行かないそれも 熊本有芳◎智子共鳴

蘭鋳や悲しいポップス歌ってる 熊本有芳◎正則共鳴

図書館にて肩に水着の跡見入る 柳原尚彦

*一点

洗面器金魚の心いかばかり 浅野希梨

誰ぞ待つ日陰で墓守り青蛙 浅野希梨

しばらくは居やうと思ふ山の滝 石川鐵男

はじまりはただそれだけのこと遠花火 今崎智子

死してなお我を脅すか油虫 今崎智子

路線図を呆け眺むるアロハシャツ 川合健生

上り電車日焼けの親子眠りをり 川合健生

雨上がりアスファルトに映ゆ遠花火 喜連川

冷奴眠れぬ夜に滑り込む 熊本有芳

冷房車早くひらけよ五秒前 熊本有芳

飲み明かすタマを相手の熱帯夜 中村正則

炎天に別れしひとの振り向かず 中村正則

晴れ晴れ句会 第十八回 平成二十一年六月二十七日(土)於東京・根津「晴れ晴れ家」(19回)


参加九名・欠席投句二名

*四点

追はれ出る郷が木の間に遠花火 池田ブランコ◎健生特選
せみしぐれ補習授業の時の凪 喜連川

*三点

母がただひとり蟇の味方 池田ブランコ◎希伊子特選
驟雨なか何度もうたふ同じ唄 石川鐵男◎希梨特選
鬼灯の赤きをいぢめたくなりぬ 櫛原希伊子◎ブランコ特選
さよならを折りて飛ばしぬ夕立あと 中村正則◎鐵男特選
からつぽの空に風鈴鳴りてをり 中村正則◎貴光特選

*二点
ぶどうの丘かきわけ登る子の帽子 浅野希梨◎健二特選
ふくらみし胸近寄せて泉飲む 池田ブランコ◎慧特選
夏休み母の住まひを探しあて 池田ブランコ
お仏壇はあちらまずは素麺を 川合健生
台風に解体される海の家 喜連川覚◎正則特選
父笑う赤子の裸足開く開く 鴻池貴光
立ち漕ぎで家路を急ぐ初夏の夜 佐藤健二
だきしめるハイビスカスの匂いごと 中村正則

*一点
傘ならぶカフェで携帯持つ手三つ 浅野希梨
汐留の地下で天むす食らう夏 浅野希梨
湯上りの浴衣の君に弾くギター 石川鐵男
夏に入る坊主叩けば蘇へる 川合健生
絶対に蚊がいる絶対いるから 川合健生
エレベーター満腹の蚊の出てきたる 喜連川
灯取虫もしやの彼は火付け役 櫛原希伊子
葭切や波きらきらと小走りに 櫛原希伊子
生ビール七つ円卓中華街 鴻池貴光
浴衣帯蠱惑の海を縛りをり 鴻池貴光
水風呂に沈めて忘る夏の恋 中村正則
門前に紫陽花咲きて猫参る 成原慧
サンダルと背広姿がにらめっこ 成原慧
あるじ無き昭和の裏庭枇杷たわわ 柳原尚彦
アトリエの小さき額絵に夕西日 柳原尚彦