晴れ晴れ句会 第二十三回 平成二十一年十一月二十八日(土) 於東京・根津「晴れ晴れ家」(24回)
参加十一名+欠席投句一名
*七点
打たれたる頬の熱きに冬を知る 中村正則◎鐵男、美紀、英二共鳴
*四点
友来たり千住の葱をぶつた切る 中村正則◎喜和共鳴
*三点
悪い奴凄いコートで闊歩する 熊本有芳◎貴光共鳴
新型のウイルス運ぶ雪女 鴻池貴光
君の背に爪を刺したい酉の市 坂井美紀◎英二共鳴
姉の声枯木を通し弟へ 高橋喜和◎有芳共鳴
*二点
麻薬王狐のロングコートかな 池田ブランコ◎正則共鳴
セーターか吾かいづれか前うしろ 池田ブランコ
山近づきけさ東京の冬めきぬ 池田ブランコ
菊肩に咲いて地蔵は横たわる 川村里香
足の裏上目で見ている氷下魚かな 喜連川覚
北風や掛けたる掃きの四十五度 喜連川覚
冬晴のランチボックス女子男子 鴻池貴光
冬耕や国境兵に手を上げて 高橋喜和
あいつ飛んだハングライダー冬紅葉 中村正則◎泰子共鳴
冬座敷猫の吐きたる毛玉かな 中村正則
冬銀河眠りそびれたきつねの子 中村泰子
手放せば自由になりぬ枯木立 中村泰子
初時雨根岸の里に雨を聞く 安田英二
*一点
寒風や暮るる街の灯星の数 石川鐵男
冬の薔薇独り暮らしの丘の上 石川鐵男
木枯らしや小声でうたふラブソング 石川鐵男
マフラーを靡かせ声の響く人 池田ブランコ
秋雨やまばたきをせぬ看守かな 川村里香
沢庵をつまらぬ顔してポリとやる 熊本有芳
凩に鉄棒クルクルお嬢ちゃん 熊本有芳
冬芒安全+第一錆びている 鴻池貴光
送信のボタンを押せぬ小夜時雨 鴻池貴光
公園のトイレの鏡木の葉髪 鴻池貴光
垂れ気味のお尻ぽかぽか電気毛布 坂井美紀
冬時雨貴女がなぞる結婚線 坂井美紀
茶の花垣営業マンの急ぎ腰 高橋喜和
おさらばだ雪の降るさきを見つめる 中村泰子
大晦日独座観念モーツァルト聴く 安田英二
冬の闇に呟いてみるの「ただいま」と 安田英二