晴れ晴れ句会 第十二回 平成二十年十一月二十二日（土）於東京・根津「晴れ晴れ家」

＊五点
冬夕焼ひばりの唄をうたひ出す　石川鐵男　◎佐藤、中村氏特選

＊四点
銀杏を拾っている日株価落ち　橋本茂則　◎池田、喜連川氏特選

＊三点
酒の燗待ちつつ弾く猫の髭　石川鐵男

＊二点
ストーブの音の親しき保健室　池田ブランコ
大声の絶え間無き家今日も鍋　石川鐵男
暮るる庭ひつそりとして実南天　石川鐵男
すれ違ふひと風ごとの寒さかな　中村正則　◎石川氏特選
老犬の初雪に眥決す　中村正則　◎植竹氏特選
牡蠣を待つ鉄板のバター踊り消ゆ　柳原尚彦

＊一点
壁に椅子寄せてありたる寒さかな　池田ブランコ
暦売り丸め返して癖を取り　植竹団扇
色落葉選びて踏みしケンケンパ　喜連川覚
外海府行き止まりの地冬夕焼け　喜連川覚
しおりにと落葉拾いて本を閉ず　喜連川覚
缶コーヒーホットを押して握る冬　佐藤健二
夜コンビニビタミン不足ミカンに葉　佐藤健二
空つ風あはれ骸の土鳩かな　中村正則
寒風をものともせぬ笑み七五三　橋本茂則
君の手をおずおず攫む秋の暮れ　橋本茂則
お酉様ベビーカステラ匂う先　柳原尚彦
新蕎麦のかおりを運ぶ白き腕　柳原尚彦