晴れ晴れ句会(引越し先)Haiku on Sunnyday

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晴れ晴れ句会プレミアムvol.3「惜春の句会」 平成二十一年四月二十七日(月)於東京・根津「晴れ晴れ家」


参加十四名+選のみ一名

*六点

筍の土持ちあげて風を見る 鶴田寿子◎祥子特選

*五点
葉桜やまだ言い足らぬことのあり 川合健生◎金太郞特選
野の花を丁寧に押し春惜しむ 藤原宏子◎健生、松鯉特選

*四点

惜春の碧きらふそく灯しけり 石﨑宏子
行く春を行くに任せて風見鶏 川合健生◎きらら特選
突然の客行く春を手土産に 川合健生◎寿子特選
散る桜忠と不忠は紙一重 神田松鯉◎石﨑宏子特選
子らの顔わからぬ姑と春惜しむ 祥子◎智子特選

*三点

旅終ふる東京俯瞰春の暮 石川鐵男◎有芳特選
歳時記と地酒を棚に春惜しむ 石﨑宏子◎恵子特選
時報鳴る寺領に春を惜しみけり 岩永恵子
春の夢亡師の声の若かりし 神田松鯉
恋猫の鳴き尽くしたる路地の闇 神田松鯉◎菜摘子特選
祭の児半天のまま眠りけり 山遊亭金太郞◎藤原宏子特選
ちちんぷいぷいなんどもなんども目借時 平野きらら◎正則特選
菜の花の坂を下るや安房の海 藤原宏子◎元博特選

*二点

花冷えにアキレス腱を痛めけり 生嶋元博
春日永駄洒落応報部長部下 石川鐵男
菜を刻むリズム乱るる暮春かな 石﨑宏子
寝転んで見上げる空の春憂い 熊本有芳
春の月市松人形瞬けり 鶴田寿子
春雨の静寂鴎外寓居跡 中村正則◎鐵男特選

*一点
校庭に残る足跡春惜しむ 生嶋元博
春惜しむ壜に僅かのスコッチで 石川鐵男
夕暮れの途中下車かな春の宵 石川鐵男
思い出もすべて散らせよ花吹雪 今崎智子
過ちは春の風邪よと囁かれ 今崎智子
沈黙を破りポツリと椿落つ 今崎智子
ゴールデンウィーク限定モヒカン刈り 川合健生
高下駄の大股に行く春時雨 神田松鯉
訳のある如く落花の急ぎをり 神田松鯉
水溜まり写す春空フヌケ顔 熊本有芳
春の夢雨だれに溶け落ちにけり 熊本有芳
春惜しむ喋り続けるもう一杯 熊本有芳
転校に初恋散るや花菫 中村正則
白蝶の花降る中を漂へり 中村正則
ミント色の蝋燭卓に春逝かす 平野きらら
桜蘂降る膝に抱く旅鞄 平野きらら
葉桜や色賑やかにランドセル 藤原宏子
梨の花セーラー服の大きかり 藤原宏子
春うらら電車の欠伸伝染す 鶴田寿子