晴れ晴れ句会プレミアム VOL.1「月の句会」 平成二十年九月十四日(日) 於東京・根津「晴れ晴れ家」
*六点
8時間後に君が見るフルムーン 大塚彩花 ◎中村泰、淡輔氏特選
*五点
友来たりこの夜の月をみな揚げよ 池田ブランコ ◎氏特選
アスファルト寝転べば月温かし 中村正則 ◎石川、喜連川氏特選
*四点
満月が闇の抜け穴インドの夜 大塚彩花 ◎水越氏特選
満月や何も語らず影二つ 中村泰子 ◎三吉氏特選
月今宵ケーキもパンも丸く焼け 三吉みどり
*三点
厨房に入つたきりや月の友 影山わこ ◎秋山氏特選
一才の児も莢を歯む月見豆 髙地勝美 ◎浩子特選
*二点
揺られたし月の明かりの無蓋車に 秋山しのぶ ◎中村正特選
晴れ晴れと月を泛べて集ひこし 秋山しのぶ ◎大和氏特選
月光の犬月光の猫となる 秋山しのぶ
月今宵主役と知りて昇り来る 池田ブランコ ◎髙地氏特選
月とワインとトルファンの干しぶだう 石川鐵男
月下のウインド恐竜の歯の化石 大和あい子
月明へひとりの夜を歩き出す 大和あいこ ◎金太郎師特選
*一点
海の月昇るやすつかり乾きをり 池田ブランコ
舞殿に白猫侍る良夜かな 影山わこ
月光に揃ひの下駄の並びをり 山遊亭金太郎
満月に千本鳥居潜りけり 山遊亭金太郞
満月や独座独酌根津暮らし 淡輔
豆柴の月に吠へたる孤高かな 中村正則
けんけんぱ月など救いになりはせぬ 中村泰子
望月の鱗粉ととけゆ五十鈴川 羽中田浩子
口笛ひゅう妖けしと交す月見酒 水越洋子
摩天楼窓ごとの月と腕まくり 水越洋子
満月のポストに落とす手紙かな 三吉みどり